【書評】「フリー 無料からお金を生みだす新戦略」 クリス・アンダーソン

2011年書評44冊目。
久しぶりの書評です。
巷で有名な「フリー」をようやく読みました。
最近様々な業界で目にする
「フリーミアム」というビジネスモデル。
なぜフリー化が起こるのか?
そもそもなぜ無料ビジネスが成立するのか?
本書では様々な事例と共に無料ビジネスについての
概念や今後の展開が論的に書かれています。
特にデジタルな業界に身を置いている方には
必読の1冊だと思いました。
お客さんが例え1円でもお金を払わないといけない場面に遭遇すると
「本当にそれだけの価値があるのか?」と
無意識で考えることを心理的取引コストと呼びますが、
マーケティングを行う上でお客さんが持つこの障壁がまず第一の壁になります。
ですが、フリーにすることによりその心理的取引コストを払うことができます。
(無料なので心理的なストレスがかからないのですね)
どんな優れたサービスも製品もお客さんに
「知ってもらい」、「使って」もらないと何の意味もない。
無料にすることにより、
本来得られる利益が0になってしまうと考えがちですが、
そうではなく、お客さんに使ってもらうまでの障壁を
取り払う力がフリーにはある。
と考えるべきです。
例えフリーにしても利益を得る方法はいくらでもあります。
(本書の中に数多く事例が載っています)
そして今後は、
特に製造コストが低いデジタルの世界ではフリー化が
益々顕著となり、どれだけ画期的なサービスもシステムも
(最初はお金をとれるものでも)
いずれはフリーとの戦いが待っています。
今まで以上にフリーミアムという概念が
当たり前の世の中になるということを
頭に置いてビジネスを展開していかないといけません。
数々の事例を踏まえ、
マーケットの奥深さを知ることができた1冊でした。
少しボリュームが多い作品ですが
今後増々広がっていくフリーという波に
うまく乗っていくために、一読をおすすめします。
●読書メモ
・お金を払わないために時間をかけることは最低賃金以下で
働いていることを意味する。
・将来のために無料にしてデータをユーザーから収集する。
・スパマーは100万通に1つ反応があれば儲けられる。
(雑誌の定期購読のDMは返事が2%以下なら失敗)
・自分が「直接」見れなかったものが何かを知ることにより
更に価値が上がる。
・パッケージモデルのビジネスモデル→映画館
オンラインゲームのビジネスモデル→テレビに近い
(料金が生じるのはプレーヤーが必要性を感じて
アイテムを購入するときだけだから)
・海賊版は大切なマーケティングツール。
不正コピーのおかげで名声が手に入る。
そのおかげでファンの反応や賞賛を受けられる。
(レコード業者は大変・・)
日本放送出版協会
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